買い物の正解

保存水は何リットル必要?家族人数別の計算と、5年保存水と普通の水の使い分け【計算機つき】

更新日 公開日 執筆 買い物の正解 編集部

備蓄の優先順位で食料より先に来るのが水です。人は食べ物がなくてもしばらく耐えられますが、水はそうはいきません。そして水の備蓄は、数ある備蓄の中で計算がいちばん簡単です。

結論:飲料水+調理用で1人1日3L×最低3日分=1人9L。家族4人なら36L(2Lペット18本=3箱)、1週間なら84L(7箱)。5年保存水にこだわらず、普段のペットボトル水をケースで多めに置くだけでも成立する。「合計リットル数が足りているか」だけが本質です。

まず必要量を計算する

計算機

家族の人数と日数を入れると、備蓄の必要量と「買う単位」が出ます

3人・7日分の必要量

水1人1日3L・1日3食・最低3日分/推奨1週間分は内閣府・農林水産省の備蓄指針、トイレ1人1日5回は内閣府の避難所トイレガイドラインの目安に基づく計算です。カセットボンベ・ペットの水・乳児用品は本文で示す経験則からの推定値で、体格・季節・調理内容で変わります。

この記事では「飲料水」の数字を使います。食事・トイレ・ボンベを含めた全体の考え方は防災備蓄の必要量を計算する起点ページにあります。

必要量の計算表

家族構成 3日分(最低) 1週間分(推奨) 2Lペット換算(3日分) 同(1週間分)
1人暮らし 9L 21L 5本(約1箱) 11本(2箱)
大人2人 18L 42L 9本(1.5箱) 21本(4箱)
大人2人+子1人 27L 63L 14本(2.5箱) 32本(6箱)
大人2人+子2人 36L 84L 18本(3箱) 42本(7箱)

※これは飲料・調理用です。トイレや洗い物の「生活用水」は別枠で確保します(後述)。※子どもも大人と同じ3Lで数えます(指針に年齢区分はありません)。

3Lの内訳

成人が1日に飲む量はおよそ1.2〜1.5Lです。残りはアルファ米を戻す・フリーズドライを溶く・服薬・歯みがきや口をゆすぐ分。つまり3Lは「余裕を見た数字」ではなく、普通に生活するための下限です。次の条件に当てはまる家庭は増やしてください。

  • 夏場(熱中症対策で飲む量が増える。夏の停電対策も参照)
  • 乳幼児がいる(ミルクの調乳用に軟水を別途)
  • 服薬が多い・持病で水分摂取を指示されている人がいる
  • 高層マンション(給水車から運び上げる負担が大きいので多めに)

5年保存水 vs 普通の水:正直な比較

「備蓄=5年保存水」と思い込む必要はありません。長期保存水と普通のミネラルウォーターの中身に大きな差はなく、違いは容器の密閉性・殺菌工程と、それによる賞味期限の長さです。

長期保存水(5〜7年) 普通のペットボトル水
価格 割高(1.5〜2倍程度) 安い
入れ替え頻度 5〜7年に1回 1〜2年で消費・買い足し
管理の手間 ほぼゼロ(買って忘れる) 普段から飲む習慣があれば自然に回る
向く人 水を買う習慣がない・管理したくない 普段から水を買う・ウォーターサーバーがある
  • アイリスオーヤマ 保存水 2L×6本(5年保存)「買って忘れる」ができるのが最大の価値。押し入れの奥に置く分にAmazonで見る
  • ミネラルウォーター 2L ケース買い普段使い+多めに在庫=実質備蓄(ローリングストック)。キッチン周りに置く分にAmazonで探す
  • 長期保存水 500ml×24本持ち出し袋・車載用。開封後に飲み切れるサイズAmazonで探す

正解はどちらでもよく、「合計リットル数が足りているか」だけが本質です。 現実的には、押し入れの「開かずの箱」は長期保存水、キッチンの回す分は普通の水、の二段構えが多くの家庭で最も安く・楽に続きます。

ペットボトル水の賞味期限の正体

ペットボトル水の賞味期限(普通の水で1〜2年)は、水が腐る期限ではなく容器を通してわずかに水分が蒸発し、表示量を下回る可能性がある期限です。未開封で直射日光・高温を避けていれば、期限を少し過ぎた水も多くの場合は飲めます。ただし備蓄の前提にはせず、期限前に飲んで入れ替えてください。

サイズの使い分け

サイズ 用途 理由
2L 自宅避難のメイン(調理・飲用) 1Lあたりの価格が最も安く、箱で置ける
500ml 持ち出し袋・車・職場 開封後に飲み切れる。衛生面と配りやすさ
軟水(純水) 乳児のミルク調乳 硬水はミルクの成分バランスを崩す。詳しくは赤ちゃんがいる家の備蓄

開封した2Lのペットボトルは、口をつけずコップに注ぎ、冷暗所で1〜2日以内に使い切るのが目安です。暑い時期はさらに短くなります。

置き場所問題の解決

36Lは意外とかさばります(2Lペット3箱ぶん、1週間分なら7箱)。

  1. 分散配置が正解——キッチンに1箱、寝室クローゼットに1〜2箱、車に500ml1ケース、のように分ける。1か所が家具の転倒や浸水で使えなくなっても全滅しません
  2. 箱のまま床置きし、上にものを置かない(取り出しやすさ優先)
  3. 直射日光と高温を避ける(車内保管は500mlを短いサイクルで回す前提で)
  4. 家具の下敷きにならない場所に(そもそも家具の転倒防止が先)

ベッド下・クローゼットの床・洗面台下は、箱が入りやすい定番の空きスペースです。

生活用水の確保:飲料水とは別の戦略

トイレ・洗面・手洗い・洗い物に使う生活用水は、1人1日10〜20Lあると不自由が減ります。ただしこの量をペットボトルで備蓄するのは非現実的なので、備蓄ではなく「確保の仕組み」で対応します。

  • 風呂の残り湯を翌日まで抜かない——最も手軽で容量が大きい(浴槽1杯で約200L)。ただし地震直後は排水管の損傷確認まで水洗トイレに流さない(非常用トイレの記事参照)
  • 給水袋・ウォータータンク(折りたたみ)——給水車が来たときに機能する。容器がないと給水を受けられないのが実際の被災地で起きたこと
  • ポリタンク 20L——運搬を考えると10L×2のほうが持ちやすい。キャスター付きキャリーがあるとさらに楽
  • 洗い物を減らす工夫——紙皿・ラップ・ウェットティッシュで洗う水そのものを減らす(断水時の衛生対策)

給水車の現実

応急給水は、災害発生から数日は1人1日3L程度の飲料水の確保を目標とし、その後1週間〜1か月かけて生活用水レベルへ段階的に回復させていくのが、水道事業者の一般的な計画です。つまり最初の数日は、給水車に並んでも飲料水しか受け取れない前提で、生活用水は自宅の残り湯が頼りになります。

よくある質問

ウォーターサーバーがあれば備蓄になる?

なります。ただし停電時に給水できる機種か(電源不要のコックがあるか)を確認してください。ボトルの在庫を常に1〜2本多く維持すれば立派なローリングストックです。12Lボトル2本で家族4人の1日半分です。

水道水をペットボトルに入れて備蓄できる?

できますが、塩素の効果が切れるため目安は冷暗所で3日程度、冷蔵庫で1週間程度です。「給水車が来るまでのつなぎ」としては有効で、地震直後に浴槽と大きめの容器に水をためるのは定石です(地震のあと最初の1時間)。長期の備蓄には向きません。

子どもや高齢者も3Lで計算していい?

はい。指針に年齢区分はなく、全員3Lで数えてください。乳児はミルク調乳用の軟水を別枠で足します。高齢者は喉の渇きを感じにくく脱水になりやすいので、むしろ多めに見ておくのが安全です。

炭酸水やお茶のペットボトルは備蓄に数えていい?

水分としては数えられますが、調理やミルク調乳には使えません。「飲料水3Lのうち1L程度まで」なら飲み物として組み込んでも問題ありません。お茶はカフェインの利尿作用があるため全部をお茶にしないでください。

浄水器や浄水ボトルは必要?

川や雨水を飲める状態にする携帯浄水器は、都市部の在宅避難ではあまり出番がありません。優先順位はペットボトルの備蓄が上です。山間部やキャンプ道具として持っているなら保険として置いておく価値はあります。

賞味期限が切れた保存水は捨てるしかない?

未開封で状態が良ければ飲用もできることが多いですが、迷うなら生活用水(洗い物・手洗い・トイレ用)に回せば無駄になりません。入れ替えのたびに「古い水=生活用水として使い切る日」を作ると廃棄ゼロで回ります。

置き場所がどうしてもない一人暮らしは?

1人の1週間分は21L=2Lペット11本=2箱弱です。ベッド下か冷蔵庫の横に1箱、職場や車に500mlを1ケース、で成立します。2箱が無理なら1箱(3日分)を確実に置き、普段飲む水を常に数本多く買う習慣で補ってください。

出典・参考

  • 内閣府 防災情報のページ「災害に対するご家庭での備え」(水1人1日3L・最低3日分・推奨1週間分)
  • 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」
  • 厚生労働省の応急給水に関する指針・各水道事業者の応急給水計画(災害発生からの日数に応じた給水目標の考え方)
  • 各製品の保存期間はメーカー公表値(2026年10月時点)

水は「1人9L(3日分)」さえ覚えれば計算が終わります。今日、いつもの買い物にケースを1箱足す——備蓄はそこから始まります。

※ 記事内の価格帯・商品情報は執筆時点の一般的な目安です。価格・在庫・仕様は変動するため、購入前に必ず販売ページでご確認ください。

◆あわせて読みたい